CAS工法の特性とメリット
CAS工法とは
CAS工法は、当社含浸固化剤「エコベスト」(ストレートシリコンレジンを主成分とするポリシロキサン結合無機溶液)を低圧噴霧の吹き付け機により表層より浸透作業を行い、アスベスト層全体を含浸固化処理し、無害化する工法(特許出願中)です。アスベストはもともと鉱物であり、当社の含浸固化剤も主原料も鉱物(ストレートシリコンレジン)です。鉱物と鉱物を結びつけることにより、通常の石に戻してしまうことが理論上可能となり、鉱物学的理論と医学的な安全性を基に、安定型廃棄物・新建材として活路を見出します。
CAS工法による様々なメリット
- 医学的見地からの人体における高い安全性の保持!
- 施工後における人体への安全性はもちろんですが、施工中における周辺環境への被害の拡散防止、施工作業者に対しても高い安全性が確保されます。
- 周辺住民および関係者への不安感を軽減させる!
- 電子顕微鏡解析や動物実験検査等を元にした医師の専門的な解析所見は、アスベスト対策における不安を軽減させます。
- 施工の経済性が良い!
- 優れた耐熱性を保持し、耐火JIS規格をクリアしています。耐薬品性や防汚性にも優れていますので、建築材としてそのままお使い頂くことが出来ます。
- 施工工期の大幅な短縮!
- アスベスト除去が不要になる為に、そのまま耐火被覆として再生でき、各種作業の簡素化や削減が可能となるために大幅な工期の短縮が実現可能となります。工期短縮により経済損失も食い止めることが出来ます。
- 除去が無理な場所にも対応が可能!
- 物理的または営業機会損失視点からも施工が不可能であった箇所にも、施工できる可能性が生まれます。
エコーディングCAS工法
アスベスト無害化処理工法 <特許出願中>
■石綿(アスベスト)をただの「石」にして無害化してしまう工法
鉱物学的な理論においては、もともと好物であるアスベストとストレートシリコン という鉱物を主原料にしている「エコベスト」(弊社材料)が結びつく事により、全く異なる鉱物に生まれ変わることが可能となる。つまり、「石綿(アスベスト)」をただの「石」に戻してしまうことが可能になるという。しかしながら、まだアスベストに関しては未解明な部分が数多いのが現状である。近い将来、実社会において一般ゴミと同様に廃棄することが(安定化の廃棄物)出来るよう、また、新建材そして有効利用の実現が可能なように鉱物学の専門家、医学的な専門家とともに本格的な研究を進めている。
このたび、弊社は、シリコーンの特徴(耐熱性・他材の追従を許さない浸透性・耐候性・安全性・施工後の固型化効果による構造物の半永久的な材質保護)を活かした、弊社独自の施工技術を活用した、まったく新しい吹付けアスベストの封じ込め処理工法の開発に成功した。
■新施工処理工法の名称CAS工法
アルファベットのCはセラミック(Ceramic)、Aはアスベスト(A-sbestos)、Sはアスベストを包み込むの意ソリデフィケーション(Solidification)のそれぞれの頭文字を取ってアスベスト封じ込め処理CAS工法とし、キャス工法の呼び名称としている。未処理アスベストとコーティング処理済アスベスト
アスベストの偽害作用はその太さにある。長さは処理、操作などによって短くもなり、短くなったときの太さが問題となる。
実際に、作業現場で吹きつけ処理された写真(1)の未処理アスベストは、純粋な鉱物としての生アスベストを構成しているアスベスト繊維以外にも、付着混合物が綿埃状に認められる。針状のアスベスト繊維は経年劣化や人為的な解体・破砕処分等の過程で分解し、浮遊する。この過程から生じる細かなアスベストの繊維が問題となる。
写真(1)の未処理アスベストの繊維はその太さもまちまちであり、太さは一様に特定出来ないが、建材で実際使用されている採取されたものは直径1〜3μ(ミクロン)と解析できる。生のアスベスト単体であれば細かいものでは0.01〜0.05のものも観察されている。写真(2)のコーティング処理済アスベストは、直径8〜12μ(ミクロン)と解析され、週径はさらに大きく3倍くらいに増すことになり、アスベスト繊維の太さがさすことで、細気管支では繊毛に捉えられ、肺胞への進入を阻止することが可能となる。
写真は(2)のコーティング処理済アスベストでは、綿埃状の付着物もコーディングにより固定され、針状のアスベスト繊維も樹脂状になって固定されているのが視認できる。解析するとこの太さは細いもので8μ(ミクロン)であった。その他のところも綿埃状のものと一緒にコーティングされ、固定されているのが分かる。この様にアスベスト繊維が比較的固まって存在するときは、処理剤が浸透して一塊となって固定され、コーティングされるので飛散を阻止できる。
コーティング処理されたアスベスト繊維は太くなり、解体処理時等には飛散は起っても浮遊するほどの太さではないので、人体に吸収されて8〜10ミクロンのものであれば細気管支に到達し、止まるものは繊毛上皮によって繊毛運動で異物の排出が行われ、痰などとして排出され、肺胞に至ることは無いと考える。
写真(1)と写真(2)は走査型電子顕微鏡所見である。共に倍率は2000倍で、拡大率は同一としてある。写真(1)と写真(2)は、ほぼ同じような条件で撮ったものである。
平成18年3月13日
国立大学法人 東京医科歯科大学大学院
医歯学総合研究科 教授
医学博士 小野 繁
小野 繁
(1)未処理アスベスト
(2)コーティング処理済アスベスト